矯正歯科
洋一歯科医院の矯正治療とは?
矯正治療とは、歯や顎に何かしらの装置をつけて少しずつ歯を動かしていき、悪い歯並びや咬み合わせの不正を正しい状態に近づけていく治療です。
矯正治療のイメージというと、いわゆる歯並びを整える「見た目の改善」をして「心理的なコンプレックスをなくす」ということを挙げる方は多く、たしかにそういう理由で矯正治療を希望されて来院される方は少なくありません。
では、頭痛や肩こりが咬み合わせによって引き起こされる可能性があることをご存知でしょうか?
歯並びが良くても、上下の咬み合わせ(顎の位置)が悪い場合も多く、それが原因で、頭痛や肩こりなどに悩まされている、精神的なストレスに苛まれている方も、実は少なからずいらっしゃいます。
そういう方は普段、自分が歯並びが悪い、とは思っていらっしゃいません。自覚している人は稀です。
このようなケースできちんと歯並びを治し、よりよく咬めるようにするのも矯正治療です。
言い換えれば、矯正治療は、心身を健康にするための「咬み合わせを整える治療」です。
身体を健康にする効果まで期待できるので、矯正治療は「心身を健康にするための治療」であるとも言えるかもしれません。
矯正治療は、お子さんの治療とための思っていらっしゃいませんか?
たしかに、成長期のお子さんの矯正治療は、将来の正しい咬み合わせだけでなく、身体の健康のためにとても大切な治療です。成長期に矯正治療をすることで、お子さんの「本来あるべき姿(身体)」に戻すことができます。
大切な永久歯を抜かないで歯並びを治すことが可能になります。
ただ、矯正治療は子供だけの治療ではありません。
歯並びは、加齢とともに変化していくものなのです。
「以前はこんなに悪くなかったはずのに、気がついたら歯並びが悪くなってきて・・・」
とおっしゃる方は少なくありません。
人生80年の現代において、30〜40代は、まだ人生の半ば。
一戸建ての家にリフォームが必要なように、お口の健康を維持するためにも「咬み合わせのリフォーム」が必要です。
洋一歯科医院では、高齢になっても快適な人生を過ごせるよう、成人の方にも矯正をお勧めしています。
医学的には、歯と歯ぐきが健康であれば、何歳になっても矯正治療は可能です。
当医院で矯正治療をされた最高齢は74歳の方です。
なぜ、歯並びは悪くなる?
歯並びが悪くなる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。歯並びが悪くなる原因としてよく耳にすることに「最近の日本人は顎が小さいから」ということが言われています。でも実はそのような遺伝的な問題はそう多くはないのです。乳幼児期に身についた悪い嚥下(飲み込み方)や咀嚼(咬み方)、口呼吸を伴う鼻炎やアレルギー、悪い姿勢や生活習慣などが原因で歯並びが悪くなっていることも多くあるのです。 例えば次のようなものが歯並びを悪くしてしまいます。
日常的な癖
歯並びを悪くする大きな原因となっているものに、「癖」があります。成長期に歯や顎に力をかけ続けるような癖があると、歯並びや顎の成長に悪影響を与えてしまいます。例えば、口呼吸、舌の癖(前歯を押したり、付き出したりする)、悪い指しゃぶり(問題のない指しゃぶりもあります)、唇や爪を噛む、頬杖をつく、体育座りをする、座り方や寝相が悪いなどです。
むし歯
乳歯は永久歯が生え変わるまで大切な役割があります。それは歯並びを維持、成長させることです。
もし、乳歯のむし歯がひどくなり、抜かなければならなかったらどうなると思いますか?
抜いた歯の後ろにある歯が前にずれてきてしまい、抜いた後に生えてくる永久歯の生えるすき間がなくなってしまいます。
そのために、すき間がなくなって生えることができなくなり、ズレたところから生えてしまうのです。また、永久歯のむし歯でも穴が開いたまま放置したり、何らかの理由で抜いたまま放置していると、両隣の歯はもちろん、咬み合う反対側の歯もズレてきて、大きく歯並びが崩れてしまいます。
口呼吸
アレルギーや鼻炎などが原因で鼻から呼吸ができない場合、口で呼吸せざるを得ないことになります。口で呼吸するようになると、舌が下方に落ち込むことになります。
舌は下顎の前歯を押すことになり、反対咬合の原因になります。
また、舌の圧によって押されて成長するはずの上顎の成長が行われず、上顎が未発達となり、ますます歯並びが悪くなります。
咬み方の問題
やわらかいものばかり食べていて、きちんと咬まずに飲み込む、ということを子供の頃から繰り返していると、咬む刺激による正常な歯並びの形成や顎の成長が行われず、歯並びが悪くなります。
小帯の異常
小帯(しょうたい)というのは唇や頬、舌の裏側についているスジのことです。これが太かったり短かったりすると、歯並びに影響を与える原因になります。
特に舌小帯の異常は、歯列だけでなく、身体全体に悪影響があることがわかっています。
遺伝的なもの
顎の大きさや形、歯の大きさなどはある程度遺伝で決まっている部分もあり、それが原因で歯並びが悪くなることもあります。
主として1~5の原因で歯並びは悪くなると考えられていますが、もちろん骨格的な要素や、歯の大きさ、形など、遺伝的な要素は考慮しなければなりません。
矯正をしたほうが良い不正咬合には次のようなものがあります。
歯並びの種類
叢生
叢生というのは歯並びがガタガタに重なっている状態の歯並びのことで、「乱ぐい歯」とも呼ばれます。ちなみに八重歯も叢生の一種です。歯が重なっていることで、歯の清掃が行き届かず、むし歯や歯周病に非常になりやすいため、歯の寿命が短くなると言えます。
歯の大きさに比べて、顎の大きさが小さく、歯が綺麗に並ぶスペースが足りない、つまり歯と顎の大きさの不調和が原因です。
成長期のお子さんの場合は、主として取り外しができる矯正装置を用いて、顎や歯列で歯並びを拡大することができます。
成長期に行われる治療のため期間はかかりますが、永久歯を抜かないで歯並びが綺麗にできる確率が非常に高くなります。当医院では、成長期(平均7~8歳ころ)から矯正治療を始めると、永久歯を抜かないで綺麗になる確率は93%になります。それに対して、成長期が終わってから始める(16〜18歳以上)場合には、永久歯を通常4歯、多いときは8歯抜いてスペースを作り、歯並びを治していくことになります。
上顎前突
上顎が前に出ている歯並びで、「出っ歯」と呼ばれるものです。上顎が過剰に成長している、または下顎の成長不足、上の前歯が大きく前方に傾いて出ている場合にこのように呼ばれます。口が閉めにくいため、口の中内が乾燥し、口臭がひどくなったり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
成長期の段階では顎の成長をうながしてはを抜かない矯正が可能ですが、成人になってからでは、永久歯を抜歯して矯正するのが一般的です。
下顎前突
「受け口」や「反対咬合」とも呼ばれているもので、下顎が上顎よりも前に出ている状態です。発音が不明瞭になりやすく、特にサ行やタ行が発音しづらくなります。下顎前突の兆候が見られたら、できるだけ早めの年齢、たとえば4歳ころからの治療が望まれます。
治療法としては子供の場合、下顎の成長を抑制し、上顎の成長を促進する装置をつけたり、マウスピースで舌や頬粘膜を排除して上下の咬み合わせの関係を修正していく治療が一般的です。
成人の場合は、軽度の場合であれば通常の矯正治療、中等度の場合は永久歯を抜歯する矯正治療、重症の場合には、口腔外科医と連携して骨を切断して顎を引っ込める外科矯正治療を行うこともあります。
開咬
上下の歯をかみ合わせた時に、前歯に隙間がある噛み合わせで、特に発音に影響が出て滑舌が悪くなりやすくなります。主な原因としては、舌の悪習癖によるものです。
子供の時から治療を始めると、顎の成長のコントロールと、悪習癖の改善をしながら矯正できます。成人になっても基本的には悪習癖の改善をしながら矯正しますが、顎の外科手術を行った上で矯正しなければ治らない場合もあります。
矯正治療の種類
マルチブラケット法
もっともよく知られている矯正法で、歯の表の一つ一つにブラケットという装置をつけてワイヤーを通す方法です。金属ブラケットと審美的な透明(白色)ブラケットがあります。応用範囲が広く、様々な不正咬合の治療に対応できます。
当医院では、セルフライゲーションブラケット矯正として、Tip-edgeブラケットを使用したマルチブラケット法を使用しています。
これは、アメリカやヨーロッパで主流のテクニックです。
見た目はマルチブラケットと同じですが、ブラケットとワイヤーの摩擦抵抗が少ないためく、痛みが少なく、よりスムーズに歯を動かすことができます。
その結果、治療を早く終わらせることができます。
マウスピース矯正
歯の表面に装置をつけることなく、着脱式の透明なマウスピースをはめることで歯を動かしていきます。薄いプレートを使用するため、周りの人にも気づかれにくく、食事の時には外せるのが最大のメリットです。ただし、装置の性質上、比較的軽めの不正咬合にしか対処できないデメリットもあります。
インプラント矯正
インプラント矯正とは、「歯科矯正用アンカースクリュー」と言う小さなスクリュー(ネジ)を、5〜10分程度の簡単な処置で歯ぐきの骨の中に入れて、歯を動かす時の固定源(支え)として用いる方法です。
歯が抜いた後に歯の代わりとして埋め込む「デンタルインプラント」とはまったく異なるものです。
矯正治療が終わって必要なくなったら抜くもので、一時的に使用するものなのでご安心下さい。
埋め込むものは、デンタルインプラントのような大きく太いものでなく、直径は1.4~2㎜程度、長さは6~10㎜ぐらいのチタン合金製の微小なスクリューです。
従来は無理と言われていた方法が選択できる、治療期間を短縮化できる、歯を抜かない治療の可能性が高くなる、患者様の負担を軽減できるなどというメリットがあります。
部分矯正
プチ矯正、MTMなどとも呼ばれているものです。歯並びが部分的に悪いなど、治す部分が限定される場合に行います。範囲が小さいため短期間で終わらせられ、費用も低く抑えることができます。
矯正歯科の一般的な治療手順
1.治療のご相談
矯正治療は聞いたことはあるけれどどんなことをするのか想像つかない、とか、興味はあるけれどどのような治療が必要になるか、治療期間や金額が心配、など、どんな疑問についてもできるだけお答えします。お口の状態をおおまかに診査した上で、簡単な治療方針をご説明します。
2.精密診査
顔貌や口の中のカラー写真、骨格のレントゲン、顎全体のレントゲン写真、歯型をとって模型を作り、治療計画を立てるための資料をお取りします。
3.治療計画の提案
精密診査の結果をもとに、綿密な治療計画を立て、具体的にどのような治療が必要になるか、治療期間や金額などについて説明いたします。
4.矯正治療開始
取り外し式の装置を入れる場合は、器具作製のための歯型を取って装置を作製します。
固定式の装置の場合は、歯に直接矯正装置を取り付けて治療を開始します。
同時に歯の磨き方、お手入れの仕方、矯正時の食事の仕方などの説明もいたします。
5.定期的な調整
1ヶ月ごとを目安に矯正器具を調整いたします。成長期の矯正治療、取り外し式装置の場合の間隔は治療内容によって異なります。
6.矯正装置の取り外し
歯並び、かみ合わせが良くなったところで、保定の準備をしてから矯正装置を外します。
7.保定
歯並び、かみ合わせが良くなっても、身体は元々の悪い歯並びに戻ろうとする、つまり「後戻り」という動きをします。
それを防ぐために、「リテーナー」と呼ばれる取り外し式の保定装置を装置は調整が必要なので、数ヶ月に1度、定期的に装置の調整を行います。
歯並びは、どんなに歯並びが綺麗な人でも、一生を通じて加齢的変化として少しずつ変化して悪くなっていきます。
そういう意味で保定装置は、装着時間を少なくしても、一生付き合っていくつもりでいた方がいいでしょう。
矯正治療のリスク
- 矯正装置の装着後、歯肉、舌、頬及び唇にすり傷が起こりやすく、痛みが生じる場合があります。
- 矯正治療開始直後及び途中で歯が動いてくると、歯の圧痛を経験する場合があります。
- 矯正装置によっては、一定期間、発音に影響を与える場合があります。
- 治療していく過程で、咬合状態が変化すると、一定期間、不快感を覚える場合があります。
- 治療期間中は特に、虫歯や歯周病への予防対策、定期的なPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を積極的に行う必要があります。
- 止むを得ず矯正治療を中断する場合でも、治療前の状態には戻せません。