Ⅱ級2類の不正咬合と叢生を矯正治療で改善

41歳女性の矯正治療の症例です。

患者概要

年齢・性別 40代 女性
主訴 食物がよくつまる
歯がしみる
顎がガクガクする
肩こり・頭痛持ち
診断、所感 Ⅱ級2類不正咬合
下顎臼歯の舌側傾斜
前歯部の叢生
狭窄歯列
低位咬合
舌の部屋(舌房)が狭い

矯正の治療経過(治療から約2年7ヶ月)

  • 下顎位の改善
  • 咬合高径の改善
  • 舌の部屋(舌房)が広くなった
  • 舌骨の位置が変化し気道が広くなった
  • 肩こりや頭痛も消失

このケースでは、下顎大臼歯の舌側傾斜をバイヘリックスで、上顎狭窄歯列をクワドヘリックスで改善し、
その後ティップエッジブラケットを装着し、全顎矯正治療を行いました。

患者さんは、2級顎間ゴムを装着してまもなく、慢性的にひどかった肩こり、頭痛が軽くなり、現在はほとんど気にならなくなったとおっしゃっています。
このような不定愁訴の改善は、後退していた下顎位が改善し、顎関節周囲筋の緊張がなくなったためと考えられます。

また、歯列、咬合の改善以外に、舌の部屋、つまり舌房が広くなったことで、舌のストレスが軽減し、舌を取り囲む周囲筋群の緊張がとれたこと。舌骨の位置が変化したことで、気道が広くなり慢性的に低酸素だった身体が変化し、呼吸がしやすくなったこともひとつの要因ではないかと考えています。

矯正治療終了時(治療から約6年3ヶ月)

矯正治療終了時の写真です。
この症例の重要なポイントは、矯正専門歯科では診られることのない舌房を広くする、顎関節(つまり顎の位置)を考慮した機能的な矯正治療が行えたことにあると考えています。

不正咬合(悪い噛み合わせ、悪い歯列)がある場合は、口腔内の問題を中心として全身の問題に発展している場合があります。それが、整体師が噛み合わせを取り上げる理由にもなっているのです。したがって、矯正治療は歯列を改善するだけでなく、噛み合わせの問題を解決することが重要です。

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