子供の顎の成長を促す矯正治療

あなたのお子さまのお口ポカンや猫背は、顎の成長に問題があるかもしれません。

このレントゲン写真は、8歳のお子さまのものです。
舌が納まる場所がなく舌が落ち込み、呼吸が歯肉そうです。また、鼻腔が狭く、鼻呼吸がしづらそうです。

呼吸がしにくいからお口ポカンになる。より多くの酸素を取り込むために猫背になる。お子さまの悪習癖や姿勢の問題がお口、特に顎の成長にあるかもしれないということを知っていただきたいと思っております。

  

今回は実際の症例に交えて、お子様のお口に関するご家族の不安を解決していけたらと思っています。

叢生・顎(舌が納まる場所)が狭い、噛み合わせが低い

術前(初診時)

この症例では舌の納まる場所(舌房)が狭いということにフォーカスを当てて行きたいと思います。

上顎歯列がV字になっていることがわかるかと思います。これを狭窄歯列と言います。また、下顎は叢生と顎の位置が交代しているため、過蓋咬合を呈しています。

 

舌房を見てみると、横幅が狭く、口蓋も低い。大変窮屈な状態でした。

治療後1年2ヶ月経過時

舌筋の機能訓練としてあいうべ体操をしながら、フレンケルという装置を使用して、舌や頬粘膜などの異常な筋機能を排除しました。

すべての筋肉を正常方向へ刺激し、軟組織に影響を与えて、骨格と歯槽レベルの変化を促すことができます。これをしっかり装着してくれれば、生体は受動的に必要な量の拡大をしていきます。

初診時と比べて変化があるのがよくわかると思います。

治療を開始して約2年6ヶ月

臼歯部の側方への拡大が自然に起こり、歯列弓が大きなU字形になってきています。
右下の犬歯と第一小臼歯も自然に良い方向に萌出してきています。

治療終了時

舌房が広がり、舌がしっかりと納まるようになりました。
筋機能のバランスも取れ、顎が正しく成長しました。

顎の位置も正しい位置になり、噛み合わせの高さも良くなったため、しっかり噛んでいることが見て取れます。また、叢生も改善することができました。

セファロレントゲンで見る術前・術後

舌骨の位置を診ると、前下方に移動しています。
左右が反対の図で恐縮ですが、イメージでは舌骨が前下方に移動することで、喉頭蓋が垂直に立ち、下咽頭が広がった。
言い換えれば気道が広くなり、呼吸しやすくなったと言えます。